近年、ますます重要になる蓄電池設備の騒音対策
~「静かで快適な環境づくり」を支える日本環境アメニティの取り組み~
近年の蓄電池設備と騒音問題
地球温暖化防止やカーボンニュートラル推進の流れを受け、再生可能エネルギーの導入拡大にともない、蓄電池設備はさまざまな場所で設置されるようになりました。
その一方で、「ファン」や「冷却装置」などの運転音や振動が周辺環境へ与える影響が大きくなり、近隣住民からの苦情やトラブルも増加傾向にあります。
特に住宅地や学校、病院といった静けさが求められるエリアでは、蓄電池設備の騒音対策は欠かせません。
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蓄電池設備の主な騒音発生源
蓄電池設備の騒音源は多岐にわたります。主なものは以下のとおりです。
- パワーコンディショナー
- 冷却ファン
- 空調設備
- コンバーター・インバーター
- 配電盤の開閉音
これらの装置の多くは、運転時に機器周辺で50~80dB程度の騒音を発生する場合があり、中には100dBを超えるケースもあります。夜間は特に周囲が静かになるため、一層の配慮が求められます。
参考:日常生活の騒音レベル例と聴感・会話への影響
場所・音の例 | 音の大きさ(dB) | 聴感/会話への影響 |
---|---|---|
静かな住宅地の昼 | 40dB | 静か、ほとんど気にならない |
静かなオフィス | 50dB | 比較的静か、通常の会話や作業に支障なし |
普通の会話 | 60dB | 1m程度で普通に会話ができる(会話成立の目安) |
掃除機(1m) | 70dB | 声を大きくしないと会話がしにくい |
走行中の地下鉄車内 | 80dB | 大声でないと会話が困難、騒音として強く感じる |
騒々しい工場内 | 90dB | 長時間曝露は聴覚へ影響の可能性あり |
50dBを超える騒音は、人によっては「静けさが妨げられる」と感じるレベルです。
60dB程度までが一般的な会話が支障なく成立する目安であり、それを超えると生活空間では騒音と感じやすくなります。
騒音の評価方法に関しては、別ページ「騒音の評価方法」でも解説しています。
また、蓄電池のような騒音を発する設備機器の多くは国で決められた「規制基準」や「環境基準」について注意する必要があります。
- 規制基準(法的基準)
- 自治体ごとに地域区分・時間帯(昼/夜)で基準値(50dB以下等)が定められ、敷地境界での測定値が超えないことが求められます。
- 夜間は規制が厳しくなることが多く、24時間稼働や夜間充放電時は特に配慮が必要です。
- 環境基準・目標値(推奨目安)
- 国が掲げる「人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準」となります。
- 住宅地・学校・病院近接では基準値より低い目安の達成が望まれます。
※具体的な基準値は自治体・用途地域・時間帯で異なります。計画地の最新の条例・要綱を必ず確認してください。
騒音トラブルの事例と影響
実際に、住宅のある敷地や、学校や病院、養護施設などのある地域に蓄電池設備を設置した後、
「低い唸り音が夜も続いている」
「室内でも耳障りな音が聞こえるようになった」
といった苦情が寄せられるケースも増えています。
一度トラブルが発生すると、対策工事に想定以上の追加費用がかかるだけでなく、企業イメージの低下やご近所との関係性悪化につながるリスクもあります。
騒音対策のポイント
蓄電池設備の騒音対策で大切なことは、以下のポイントです。
- 機器選定時に静音性能を重視する
- 適切な設置場所を選ぶ
- 防音壁を設置する
しかし、現場ごとに周辺環境や建物構造、騒音の伝わり方は異なるため、専門的なシミュレーションと最適な対策提案が不可欠です。
当社独自の開発による複数種類の防音パネルの中から、お客様のご要望や設置環境に合わせて最適な製品をご提案いたします。
当社の強み
- 蓄電池設備を含む多種多様な設備での騒音診断・測定ノウハウ
- 騒音シミュレーションによる設置前の予測・最適な対策提案
- 自社開発の高性能な防音パネルの製作・設置
- 豊富な現場実績に基づくカスタマイズ性・柔軟な提案力
- 全国の地域で対応可能
といった総合力で、数多くの蓄電池設備騒音対策を実現します。
事例紹介
住宅地近隣の蓄電池設備プロジェクトでは、次のような流れで対応しています。
- 設置前段階で、騒音シミュレーションを実施し、周辺環境への影響を詳細に分析
- 最適な防音パネルを選定し、その設置範囲と位置を設計
- 現場ごとの条件にあわせて、最適な納まりの設計図を作成
- 工事を安全・確実に実施
- 竣工後、必要に応じて効果測定を実施し、静音環境が実現できていることを確認
参考:騒音シミュレーションの例(断面図)
騒音対策前(防音壁設置前) | 騒音対策後(防音壁設置後) |
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騒音値と防音壁の効果については、騒音シミュレーションにて簡易的なシミュレーションが可能です。
参考:蓄電池設備騒音対策(防音壁設置)
また、蓄電池騒音以外にも、全国の騒音対策に当社製品が活躍しております。
まとめ ~「静かな暮らし」を守るために~
カーボンニュートラル社会の実現のために不可欠な蓄電池設備ですが、「静かな暮らし」を守ることもまた重要な社会的責任です。
日本環境アメニティは、快適な音環境づくりのプロフェッショナルとして、今後も最先端の技術で皆様の課題解決をお手伝いします。
蓄電池設備の騒音対策にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。