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騒音とは

騒音対策

騒音の定義

騒音とは「望ましくない音」のことです。邪魔な音は全て騒音となる可能性があるためどんな音でも騒音となる可能性があります。例えば、誰かが聞いている美しい音楽も、隣で勉強している人にとってその音楽は「望ましくない邪魔な音」と思われるとその人にとって美しい音楽は"騒音"となります。騒音の人間に対する影響は、「うるさい、やかましい」といった印象だけでなく「会話が聞き取りにくい、睡眠を妨害する、聴力低下」などの原因になります。また、騒音が原因で起こった事件や最近よく耳にする「子供の声は騒音か」といった議論も展開されています。

参考文献:岩宮 眞一郎. よくわかる最新音響の基本と仕組み. 秀和システム. 2014

騒音源の具体例

先程、どんな音でも騒音になりうると書きましたが、代表的な騒音源について紹介します。

今や生活に必要不可欠となっている建築設備ですが、例えばエアコンに付属する室外機は代表的な騒音機器です。一般に室外機は、メーカー資料に騒音値として「音響パワーレベル」が示されており、音の大きさが評価されます。(詳しくは以降の音響パワーレベルで解説)

また、様々な機器が存在する工場や、自動車・鉄道・飛行機などの交通騒音、耳では聞こえない超低周波騒音などが代表的な騒音源となります。

音響パワーレベル

音響パワーレベルとは、音源が放射する全音響パワーを表すものです。
よく間違えられる音圧レベルは、音源から離れた「ある測定点」の音圧のレベルです。そのため測定位置や、測定環境によって同じ騒音源でも音圧レベルは異なります。(反射音が多い場所で測定する場合と、反射音が少ない場所で測定する場合では、音圧レベルは異なります)一方、音響パワーレベルは、測定環境や測定位置の影響を受けずに音源の音響的なエネルギーを評価することができます。
音圧レベルの測定と比べて、音響パワーレベルの測定が複雑であるといった短所はあるものの、測定環境に左右されないことや騒音予測に利用できるといった利点があるため、メーカー資料値に「音響パワーレベル」が記載されることが多いです。

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図-1 音響パワーレベルの考え方 図-2 騒音レベルの測定方法概略図

音響パワーレベルの測定方法はJISに規定されており、測定する場所(無響室なのか残響室かなど)によって測定方法が異なります。

一例として、無響室や半無響室といった反射音が少ない部屋での音響パワーレベル測定方法を紹介します。
測定方法は「JIS Z 8732 音響-音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法 -無響室及び半無響室における精密測定方法ー」に記載されています。
パワーレベルの測定手順としては、音源の音響中心を中心とする半径rの球の表面音圧レベルを求め、式(1)より音響パワーレベルを算出します。

\[ L_{W} = L_{pf}+10 \log \frac{S_{i}}{S_{0}}+C \tag{1} \]

ここで、Si は試験球の表面積、S0 は基準の面積(1m2)、Lpf は表面音圧レベル で、受音点が等間隔に設置された場合は式(2)で表されます。

受音点が等間隔で設置されていない場合は式(3)で表されます。

\[ L_{pf} = 10 \log \frac{1}{N} \left[ \sum_{i=1}^{N} 10^\frac{L_{pi}}{10} \right] \tag{2} \]

\[ L_{pf} = 10 \log \frac{1}{S} \left[ \sum_{i=1}^{N} S_{i} 10^{0.1L_{pi}} \right] \tag{3} \]

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図-3 半無響室における音響パワーレベルの測定

参考文献:JIS Z 8732. 音響-音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法 -無響室及び半無響室における精密測定方法ー. 2021

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