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吸音材・拡散体の効果

室内音響
室内で音を発生した際には、壁や天井などから音の反射が発生します。この反射音の影響が大きいと、室内が騒々しく感じたり、音声がうまく聞き取れなかったり、近年ではオンライン会議での音声障害の要因になることもあります。このような音響障害を抑制するための材料を紹介します。

吸音材(多孔質材料)

吸音材は、入射した音の反射を抑制する材料のことをいいます。吸音材料にも様々な種類があり、それぞれ特性が異なります。

 もっとも一般的なのが多孔質材料による吸音材で、グラスウールやロックウール、ペットウールなどの材料が用いられます。このような材料の特性としては、高い周波数ほど吸音率が高くなる傾向にあります。

当社の「ソノカットKG・ソノカットKS」はグラスウールを基材とした多孔質材料による吸音材になります。主に1kHz以上の周波数帯域にて、高い吸音率が得られています。

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製品:ソノカット

吸音材(共鳴器型)

音の共鳴現象を利用した吸音材を共鳴器型吸音材と呼ばれます。主に中音域で吸音率が高くなる特性を持つものが多くなります。孔あき板を用いた吸音材もこの共鳴現象を利用したもので、開口率や背後空気層の大きさなどを変えることで、吸音率の特性を調整することも可能です。

当社の「サウンドライン® プラス」は共鳴現象を利用した吸音材料となっています。会話の主な周波数帯域(250Hz~500Hz中心)に吸音率のピークを持つことで、会話しやすい空間の創出を目指しています。

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製品:サウンドライン+

 注意点として、吸音材は室内への音の反射を抑える効果はありますが、隣室への遮音性能を高める効果は見込まれません。
遮音性能も求める場合には、遮音性の高い構造体と組み合わせて使用する必要があります。

拡散体

波長に比べて十分広い面積をもつ境界から反射される音波は、境界面を鏡面反射し同じ方向に音波が進んでいくものと考えられます。室内において音波の鏡面反射が多い場合、音波の進行方向が単純化してしまい、部屋の場所によって聞こえ方が大きく変わってしまったり、音の干渉が発生してしまうことが懸念されます。

境界に入射した音波が、様々な方向に反射(乱反射)されるように設計された材料を拡散体といいます。
拡散体を用いることで、音を部屋全体に広げたり、音の干渉の少ない綺麗な響きを得られる効果があります。

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反射境界面に凹凸を付けることで音を乱反射させる手法が良く用いられます。音の波長と凹凸の大きさが同じ程度であれば音波は乱反射しますが、凹凸に比べて音の波長が大きい(周波数が低い)または小さい(周波数が高い)と、十分に拡散効果は得ることができません。
高い周波数の音には細かい凹凸を、低い周波数の音には大きな凹凸を設ける必要があります。

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